為末大の『諦める力』を全力でみんなに読んで欲しい理由
いい本に出会いました。
スポーツ選手、特に日本のスポーツ業界では何となくタブーとされている言葉
諦める
この言葉にここまで前向きな意味を与えた本は、おそらくこの『諦める力』が初めてではないでしょうか?
本の感想としては、何とも曖昧ですが
「人生っていいなぁ」
って感じました。
早速、ハイライトした部分を見返してみましょう。
https://mobile.twitter.com/daijapan
為末さんは本書について、後にこのように語っています。
僕がこの本で言いたかったのは、最終的に勝つための「手段」として、努力の方向性を変えるということだった。努力して怒られる人はいないし、夢を追いかけて批判される人はいないが、努力は報われるとは限らないし、夢はかなうとは限らない。だから、勝てる可能性が限りなく低いところで頑張り続けるよりも、少しでも可能性が高いところで勝負することを考えたらどうだろう
ーそんなメッセージを投げかけた本だった。
ぼくは読書が好きなので、流行りの本などは目を通すのですが、多くの本は
「好きなことを仕事にしよう」
「もし夢が叶わなくても、追いかけるその過程に意味がある」
「諦めたらそこで試合終了ですよ」
といったポジティブな言葉を読者に投げかけ、モチベーションを上げて、さぁ皆んなで夢を追いかけよう!!
っていう流れが多いですよね。
そうゆう理想主義の本は読んでいて気持ちがいいですし、「よし、やるぞ!!」という気分にさせてくれるのですが
多くの場合は、将来の計画とか立てて満足して終わっちゃうんですよねぇ。。
皆さんもそんな経験ありませんか?
一方、為末さんは非常に現実的な部分を考えさせてくれます。
例えば以下の文。
人生は可能性を減らしていく過程でもある。年齢を重ねるごとに、なれるものやできることが絞り込まれていく。可能性がなくなっていくと聞くと抵抗感を示す人もいるけれど、何かに秀でるには能力の絞り込みが必須で、どんな可能性もあるという状態は、何にも特化できていない状態でもあるのだ。できないことの数が増えるだけ、できることがより深くなる。
諦めるというネガティヴな言葉は、本当は前向きに捉えていいんだよ、と。
目的さえ見失わなければ、手段は変えてもいいんだよ、と。
周囲の期待に応えられなくてもいい、人間はみんな完璧ではないんだよ、と。
繰り返しになりますが
「人生っていいなぁ」
っていう、自分への許可みたいな気持ちが芽生える本です。
◇こんな人にオススメ
・特にやりたいことがない人
・周囲に流されやすい人
・将来が不安な人
以下、本書より抜粋です。
・何かを「やめる」ことは「選ぶ」こと、「決める」ことに近い。
・人間には変えられないことのほうが多い。だからこそ、変えられないままでも戦えるフィールドを探すことが重要なのだ。
・最高の戦略は努力が娯楽化することである。
・多くの日本人は、あまりにも人から選ばれようとしすぎてはいないか。人に受け入れてほしいと思いすぎてはいないか。
・自分が強みを持っている分野で、より競争の激しくないところで戦う。これが勝負の鉄則だ。
最後に、一番グッときた言葉を自分用メモとして。
「自分に向いている仕事をつくってしまおう」「自分が一番になれる仕事って、たとえば何だろう」
この答えを探すのが、今の楽しみです。
引用: 為末大『諦める力』