ああ、小菅村でのんびり暮らそう

集落に移住して、古民家ホテルを運営する夫婦の話

好きなことだけして生きたい、というのはなぜ許されないのか。

最近、気になっている人がいる。

坂爪 圭吾さんという方だ。

ざっくりと説明すると、「彼女に振られる」→「ホームをレスする」→「誰か泊めてくださいとお願いをする」→「謎に声がかかりまくる」といった生活を続けている人だ。

家なし、仕事なしなんて面白い人だなと思ったら、私もほとんど同じであることに気が付いた。

 

この「ホームをレスした話」が面白い。何せ自分もホームをレスするだろう人間だ。(ホープはレスしない!)

根底的な部分が少し自分と似ているような気がして、彼のような生き方は楽しそうだなとも思った。

彼は自分を殺してまで生きたくないという。また、自殺者が年間3万人いて、鬱病患者が100万人もいるこの国に適応する必要なんてない、という。私はウンウンウンウンウンと首がもげるほどに頷いた。

 

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さて、ブログに書いたこの記事(愚痴)が予想以上に反響があり、たくさんの友人からご意見を頂戴した。

 

記事内に、「そんな思いをしてまで生きたいとは思わない」的な言葉を書いた。そんな思いとは、やりたくない仕事をやって、ストレスを抱えながら生きていくこと。


読み返してみて、これはまだ本心ではないなと思った。


たぶん、私はどうしようもなく生きたい。一人だったらそうは思わないかもしれないけど、大好きな人がいる。それだけで、ストレスでも何でも跳ね返せちゃう気がする。そんなことより2人で長生きしたいなと思う。


「自分を殺してまで生きたくない」というのは坂爪さんの言葉で、自分の言葉ではなかった。ただ、希望を失ったまま生きるのはやっぱり辛いだろうなと思った。

 

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この記事(愚痴)を書いている時の心境は、自分の抱えたストレスやモヤモヤをどこかに発散したいという気持ちで書き殴っていた。

そしたら何だかスッキリして、みんなの意見も聞いてみたいと思いFacebookに投稿してみた。

投稿してしばらくすると、だんだんと後悔している自分に気付いた。

よくよく考えたらFacebookの友達には父と同じ世代の人たちもいる。みんな人生を謳歌している大好きな大人たちだ。その人がみたらどう思うか。もしかしたら叱られるんじゃないか。そんなことを考えていたら続々とコメントやメッセージがきた。


不安とは裏腹に、その全てが思いやりのある、熱のこもった本気の言葉ばかりで、私はすごく暖かい気持ちにさせられた。同時に「あぁ、そうだよな。この人たちの言う通りだな」と思った。


父親に対して、ごっそり抜け落ちていた事実があった。


大学まで卒業させてくれて、ここまで育ててくれたという事実だ。

「今」だけを切り取ると確かに納得できない部分がある。やりたいように、やらしてくれよと思う。

しかし、「今まで」で捉えると違ったものが見えてくる。


私を育てるために苦労して、家族のために家や車を買い、自分の趣味にかけられるはずのお金を学費に投資して、そうこうしていくうちに身動きがとれなくなったのかもしれない。みんながそうしていたし、それが正解。そんな時代だった。

きっと色んなストレスを抱えながら、自分を満たすことより、家族を満たすことにエネルギーを注いできたのかもしれない。

その結果、自分のことしか考えていない(と思われている)私との間に、理解しあえない壁ができてしまったんだと思う。もしかしたら好きなことだけして生きたいというのは、高度経済成長を支えてきた人たちからしたら、未知の世界なのかもしれない。私にとっても未知だ。分からないものは否定したくなるものだ。

 

 

 

あの記事はいつか消すかもしれない。

けれども、コメントやメッセージをくれたみんなのおかげで、父親への感謝の気持ちが生まれてきた。

それまでは「もう家族なんてどうだっていいや」とやさぐれていたけど、思いとどまらせてくれた。

 

で、将来は何をやりたいか?

もちろん変わらず、リトリート施設をつくりたい。

理由は二つある。

一つ目は、ひとみとの理想の暮らしがまさに、リトリートライフだからだ。自分たちのつくるリトリート施設に、自分たちが住みたいと考えている。


二つ目は、恩返しがしたい。

私たちはたぶん、ものすごく人に恵まれている。後輩も、同年代の友達も、人生の大先輩も、両親だって、みんながみんな本当にチョー素敵な人たちだ。

この人たちから受けた恩を返すためにも、私とひとみの想いを形にしたホテルを誕生させたい。もらってばかりだから、返していきたい。

できるかどうかなんて分からないけど、やりたい。

好きなことに没頭して生きたい。

 

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そんな無職の独り言でした。


挑戦は続く。